固定観念が邪魔をする(2-1)

書籍「誰も教えてくれない製造業DX成功の秘訣」から、内容を一部ご紹介しています。

今の時代、デジタル化が重要であることは、どの会社経営者も認識しているはずである。それでも日本の場合、先進各国と比較するとデジタル化で明らかに遅れをとっている。
一つには、固定観念がデジタル化への移行を邪魔しているのではないか。ここで言う固定観念にはいくつかあるが、IT化やデジタル化の妨げとなっているのは既存の組織や予算と考える。

工場や組織に横串を刺すデジタル化を

日本の製造業は工場単位で損益を見ている場合が多く、予算配分も工場ごとになりがち。
工場をまたぐ共通なシステムに、予算を配分するようなことをなかなかやらない。
つまり、工場が一つの会社事業体となっているため、工場同士で同じようなニーズを持っていても異なるシステムソリューションを導入するケースさえある。

同じ会社であるのに違うシステムを採用すると、コストも割高になる。メールシステムが良い例で、今や一つの会社で全社共通のインフラとなっている。

一方、工場単位でメールシステムを入れているところはほとんどないだろう。システム投資もこれからは全社共通で優れたものを導入するよう、予算化していかなければならない。

同時に、デジタル化についての会社の推進体制も重要になってくる。工場の中でパソコンに詳しい人がソリューションを選別していたようなやり方ではなく、工場や組織に横串を通し、 共通プラットフォームを導入してデジタル化を推進するためのチームが必要になる。

ただ、既存の情シスは新しいシステムを作るより、現在あるシステムの運用・維持を担っていることが多い。DX推進のためには複数の工場や組織を束ねつつ、新しいシステムを立ち上げ、それを最適化していく部門、なおかつ会社の予算として計上する新たな部門が欠かせない。

その他、この節の小見出しはこちらです。気になる項目があればぜひ書籍にてお読みください。

・一度入れたシステムが長期に活躍するという幻想
・不可能を可能にする驚異的開発を支えたもの
・ITはやるべきことの発見ツール

「誰も教えてくれない製造業DX成功の秘訣」

誰も教えてくれない製造業DX成功の秘訣表紙画像

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