製品の納品時に欠かせない出荷検査。測定器はデジタル対応されていても、発注元に提出する検査成績書には手作業で転記している企業が大半ではないでしょうか。
今回は、TULIPを用いて三次元測定機の測定結果を自動で検査成績書に記載、発注元への送付まで電子化を実現した松江山本金属株式会社に伺い、同社品質保証部 主任の江田様、株式会社山本金属製作所 品質保証部 部長の林様にお話を伺いました。
ポイント◦ 工数削減・ポカミス防止
三次元測定機での測定結果を手作業なしで検査成績書フォーマットへ記載
転記がなくなりミス撲滅、作業者・承認者の工数も大幅削減
◦ ペーパーレス実現
検査成績書はTULIPからデータのまま発注元へ展開可能
TULIPの第一印象は「点検や指示書で使えそう」
DMG森精機様の工場を見学した際、TULIPが実際に使われているのを見て、ばくぜんとですが「点検や指示書が便利になりそうだな」といった印象を持っていました。
その後、当社でも業務のデジタル化を推進するにあたり、TULIPの導入が決まりました。導入してから活用を考える流れになったので当初はどう使っていくか迷いもありましたが、TULIPは業務アプリの作成数が無制限ということで、広く使っていけそうだという思いも持っていました。
三次元測定機のデータを取り込んで検査成績書用に自動出力
そんな時にT Projectさんとの打ち合わせで「検査成績書の作成工数が重い」と話したところから、三次元測定機のデータをそのまま検査成績書に取り込んでいこうという話になったんですよね。
デジタルノギスなどのハンドツールについては、測定結果を簡単にTULIPに取り込めると知っていましたが、三次元測定機のデータまで?と驚いたことを覚えています。
担当者・承認者の二重チェックはしていたものの、ミスを見落とすリスクは常にあると思っていました。
また、測定結果を理解して必要な個所に転記する必要があるので、担当者が限られてしまうことも悩みでした。TULIPを使うことで、測定結果が検査成績書の該当箇所に直接入力されますからミスの可能性はなくなりました。
作業時間も2・3時間はかかっていたところ準備などを含めても30分ほどに短縮されています。
さらに、検査成績書を提出する際には印刷して製品に同梱することが多かったのですが、TULIPからデータで送れることになり非常に便利になりました。一連の業務でペーパーレス化を実現できますから、取引先に了承してもらえるのであればぜひおすすめしたいですね。
さらに、ローコードツール「Node-RED」にも標準対応しており、直感的な操作で開発を進められます。今回はこの「Node-RED」を用いて三次元測定機のデータを取り込み、出力しています。
TULIPをもっと使いこなしていくためのサンプルがほしい
点検、測定とTULIPの活用を広げてきましたが、きっともっと使えるんだろうなと感じています。
ただ、どこで活用したらいいか想像が難しい。同業・類似の製造業では業務の流れは大きく変わらないと思うので、「この業務にはこのTULIPアプリ」といったサンプルや事例が豊富にあればうれしいですね。
DXに関する知見が浅くともサンプルをカスタマイズするだけなら業務に取り込みやすいし、中にはTULIPのような新しい取り組みに不安を感じる人もいますから、実際に使われている前提があると納得感・安心感が増すと思います。
すでに料金分以上の活用はできていると思いますが、T Projectさんの知見を随時伝えてもらいDXへの取り組みを進めていきたいと考えています。
単なるデジタル化にとどまらず、トレサビやサイクルタイム測定、画像認識による判断など、製造業に特化したTULIPならではの業務改革へのご提案を今後もさせていただきます。また、サンプルアプリのライブラリ化も進行しております!
松江山本金属株式会社について
松江山本金属は、数ある部品の中でも発電施設などエネルギー分野の部品や、工作機械のコア部品など「中物部品・大物部品」に特化した部品製造を行っています。
高品質、確実な納期対応、低コストに対応するため、最新の製造技術、情報テクノロジーの活用に日々取り組んでいます。
◦ 松江山本金属株式会社Webサイト https://www.matsue-yamakin.co.jp/
※Node-REDはOpenJS Foundationの商標または登録商標です。
※内容は取材時のものです。