作業時間99%短縮!TULIPで三次元測定の実績管理自動化

  • DMG森精機プレシジョンコンポーネンツ株式会社
製造業
塩崎壮様写真

DMG森精機プレシジョンコンポーネンツ株式会社 部品測定・治工具管理部 塩崎壮 様

DMG森精機グループのDMG森精機プレシジョンコンポーネンツ株式会社では、グループの工作機械向けユニット部品製造を行っています。
製造にあたり欠かせない部品の測定業務の中で、三次元測定機による測定結果の実績管理と結果配信があります。しかし、長年の経験を持つ担当者の定年退職が近づき、作業の標準化・分析を実施して業務の見直しとデジタル化による省人化・省力化を目指しました。

今回、この改善活動のリーダーとして取り組まれた、同社部品測定・治工具管理部の塩崎壮様に詳しくお話を伺いました。

 

ポイント◦ 10年以上専任担当がおり、属人化していた業務をまず「分解」
◦ 分解した業務を「見える化・標準化」から「省人化・省力化」へステップを踏んで改善
     → 99%の時間削減に成功、作業品質も向上し誤記入リスクゼロに!

背景

改善に取り組んだ業務には長年専任の担当者がいたため、細部については担当者のみが知っているという不透明な状況になっていました。

担当者の定年退職が近付き、このまま放置すると業務停滞・品質低下のリスクがあったため、増員なしで最低でも現状のパフォーマンスを維持すべく取り組みを開始。
おおまかに三次元測定→実績管理→結果配信という流れの中で、「実績管理」の現状把握と対策の検討を行いました。

実績管理は、具体的には「三次元測定機の測定結果を確認し、その内容を集計ファイルへ転記する」ことの繰り返しです。測定結果の確認や転記の際に発生する誤入力リスクだけでなく、単純作業を人力で行うムダも大きなものです。
実際、測定結果1個に対して2分30秒、1日に約26個の測定があるため、平均作業時間は65分/日を要していました。

この作業をTULIPアプリで行い、自動でデータとして出力まで完了できるようにしたところ、作業時間は40秒と劇的に減少。転記ミスのリスクもなくなりました。結果は以下の通りです。

三次元測定実績管理アプリ画面

三次元測定・実績管理TULIPアプリ。操作性・視認性に留意されている。

TULIP導入前後の比較

導入前の課題

単純作業を人手を介して行っていた

  • 個別に保存された集計結果ファイルを、改めてすべて開く作業
  • 集計用ファイルへ、開いた集計結果ファイルを見ながら手入力

導入後の改善

三次元測定結果取得の様子

ワーク情報はQRコードをTULIPアプリ上で読み取るだけ

取得データは再考し最適化のうえ、単純作業をTUIPで自動化。

  • データは測定者がTULIP上で保存し、必要なデータをCSVファイルに自動変換で作業は正確かつ短時間に
  • 入力ミスのリスクがなく、確認作業が不要に
  • 最終ファイルへの出力も自動化
測定結果表示画面

測定結果はTULIPアプリ上で即座にデータ化

実施対策と効果

データ保存の自動化(TULIP利用):10秒

  • 対策: 測定者がTULIPアプリを使用してデータを直接保存。アプリは操作性と視認性を重視して設計。
  • 効果: 短時間で正確なデータ保存が可能に(転記のリスクなし)。内容確認作業が不要になり作業工数も削減。

データ出力の自動化(TULIP利用):30秒

  • 対策: TULIP上のデータをCSVファイルで出力し、Excelの集計ファイルへの取り込みを自動化。
  • 効果: 手入力による誤記入リスクを排除し、短時間での正確なデータ取り込みを実現。
管理用Excelファイル

管理用Excelファイルにワンボタンで変換。推移を可視化しさらなる改善へ活用

総合評価

2023年2月からの標準化

すべての測定者と測定機で作業標準化を実施し、作業時間を99%削減(0.5分/日)。

省人化・省力化の実現

業務のデジタル化・自動化により、人員の補充なしでパフォーマンスを維持。効率化と生産性の向上を実現。

 

株式会社T Projectから塩崎様のチームでは、業務を見える化してTULIPアプリにする際に単なる置き換えではなく、内容の見直しもされています。
データ化項目で実際には使われていないものを削り、本来必要だった項目をレコードに追加。TULIP化で時間短縮・正確性向上とともに業務品質の改善まで実現しました。
TULIP活用中の企業様でもぜひご参考にしていただければ幸いです。

※掲載内容は取材時のものです。

TOP